琉球の那覇市の街端れに△△屋敷と云ふ特種[#「特種」はママ]部落がある。此処の住民は支那人の子孫だが、彼等の多くは、寧ろ全体と云ってもよいが、貧乏で賎業に従事して居る。アタピースグヤーと云って田圃に出て行って、蛙を捕って来て、その皮を剥いで、市場に持って行って売る。蛙は那覇、首里の人々には美味な副食物の一つに数へられて居るのだ。それから、ターイユトウヤー(鮒取)サバツクヤー(草履造)、帽子編(ボーシクマー)…………さう云ふ職業に従事して居る。彼等は斯う云う賎業(?)に従事して居て、那覇市の他の町の人々には△△屋敷人(やしちんちゆ)と軽蔑されて居ても、その日常生活は簡易で、共同的で、随って気楽である。
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