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三鷹女子高生殺害 「警視庁組織的対応に不備」


東京都三鷹市で10月、高校3年の鈴木沙彩(さあや)さん(18)が元交際相手の池永チャールストーマス被告(21)=殺人罪などで起訴=に刃物で切られて殺害された事件で、警視庁は6日、警察側のストーカー相談に対する対応の検証結果の報告書をまとめ、「危険性の判断に問題があった」などと総括した。
池永容疑者は、沙彩さんに対してストーカー行為を繰り返していた。警察庁によると、2012年のストーカー認知件数は1万9920件と、2000年にストーカー規制法が施行されて以降、最悪の数字を記録している。うち、被害者の約9割が女性だ。今回の事件のように若い人だけが狙われているようにも思えるが、世代別ストーカー被害件数は20代が35%、30代が27%、そして40代以上の女性が約30%を占める。決して他人事ではないのだ。
 記者会見した石田高久生活安全部長は、鈴木さんが事件当日に三鷹署へ相談に訪れていた点について、「(担当者の)危険性の判断に問題があった」などと認め、「(危険性を)組織的に判断して評価していくことが必要」と指摘した。
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 報告書は、関西方面に住んでいた池永被告が事件直前、遠く離れた鈴木さんの自宅付近で目撃されていながら、「殺す」などの危害を加える言動が把握されていないことをもって「危険が切迫しているとの判断に至らなかった」と指摘。「危険性?切迫性を的確に判断するための仕組みが必要」だったとした。

 また、事件当日の10月8日、三鷹署の担当者が鈴木さんの相談を受けた後も、他の相談事案に追われ、事件発生前に他の相談案件5件を抱え、上司に報告していなかった点にも言明。「上司に口頭で速報する仕組みが必要」と組織的な対応の不備も認めた。
 報告書は、鈴木さんに対する保護措置の不足にも言及。事件当日には担当者の緊急連絡先を教えたり、事後のパトロールを約束するだけで、直ちに警察官を派遣して鈴木さんの保護を図ったり、池永被告の行方を確認したりしていなかったことや、自宅以外への避難も勧めていなかったことを反省点として挙げた。
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 また事件後、鈴木さんの両親が「事件発生直前に三鷹署が安否確認の電話をした際に、より詳しい防犯指導をしてほしかった」と不満を漏らしていたことも明らかにした。

 さらに、事件の4日前の10月4日に鈴木さんの相談を受けた学校側が杉並署に電話していたが、生徒の氏名や事案の詳細を聞き取っていなかったために、杉並署が三鷹署への連絡を怠る結果となったと分析した。
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