人とペットの遺骨を一緒に納められる墓が、人気を集めている。
ペットを家族の一員として大切に飼っていた人が、死後もそばにいてほしいと思うようだ。首都圏や福岡県内などを中心に各地で建設が進んでおり、増設を重ねる墓地もある。
福岡県宗像市の高台に位置する百合ヶ丘霊園。周囲を森林で囲まれた約7000区画の広大な大型公園墓地の一角で、小さな石碑とともに立つ墓がいくつもあった。
「これまでに飼ったどの犬よりも賢い子だった。子供のような存在で、きちんと供養してあげたかった」
15年間飼った雌のシーズー犬「リリー」を4年前に亡くした同県福津市の男性(74)は、そう言って「リリー 15才」と刻まれた石碑に手を合わせた。
12年前、男性は心筋梗塞で病院に運ばれて約2か月半、闘病生活を送った。家族から、毎日リリーがさみしそうに寝ていると聞き、愛情
ニューバランス ランニングシューズが一層深まった。その後、リリーはがんを患い、最期は男性の腕の中で息を引き取った。
しばらくは家の仏前に骨を置いていたが、ペットと一緒に合葬してくれる霊園があると知り、迷わず購入した。現在は先祖とリリーが一緒に納骨されている。石碑の裏には「癒やしてくれた愛犬達もここに眠る」と刻んだ。「達」とあるのは、今飼っている2匹も死後はここに入れるつもりだからだ。もちろんいずれは男性も入る。
百合ヶ丘霊園では、2006年から、ペットと入れる墓の販売を始めた。口コミで評判が広まり、段階的に増設している。霊園内では143区画のうち102区画が売約済みという。同霊園管理事務所の安部順二所長(56)は「市外からも問い合わせがある。空きがなくなれば、また増設することも検討したい」と語る。
同県桂川町の嘉麻郷霊園では2年ほど前から、樹木などの下に遺骨を納める「樹木葬」のペット合葬墓を販売。これまで大々的に広告をしたことがなかったが、霊園内の樹木葬墓400区画のうち30区画がペット納骨可能な墓で、すでに9割ほどが売れた。
ペットの死を契機に購入する高齢者が多いが、なかには30~40歳代の人もいるという。同霊園の秋本修所長(63)は「マンション暮らしをしている人が埋葬場所がなく、供養のため購入するケースが多い。死後も人間同様の扱いで、ペットも市民権を得てきたなという印象です」と話す。(香月大輝)
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ペットと入ることができる墓は、10年余り前に、東京や神奈川など関東の霊園で販売されるようになり、その後、九州などに広がった。人と同じく、火葬してから納骨する。
一般にペットのなきがらは、自宅の庭に埋
ニューバランス 574めたり、市町村に引き取ってもらったりすることなどが多く、ペットだけを弔う専用のペット霊園も各地にある。
しかし、少子高齢化が進み、ペットの存在はより身近に。ペットとの合葬区画がない霊園施設にも「愛犬も一緒に納骨したい」といった問い合わせが増えているという。
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